小学校における教科担任制を考える。

小学校における教科担任制を考える。

 

 文科省の取り組みには残念ながら一貫性がない。小学校高学年において理科や体育で教科担任制を取り入れるとのこと。メリットとデメリットを考えていきたい。しかし前提として2つ考えたい。

 

教科担任制が教員の授業時間数を減らすこと。

 今でも家庭科や音楽などの教科は教科担任が指導していることが多い。その分は貴重な空き時間となっている。しかし、他のクラスの授業も行うことで空き時間が減ることになっては意味がない。

 

2つ目はその教科の免許を持っている教員、または教員の承諾を得て授業を分担すること。

 小学校では全教科原則教えることになっている。しかし、(中学校の)免許もない、基本的な知識もない教科の授業を受け持つように言われたら精神的なストレスがかなり大きくなる。

 

メリット

 理科や体育では準備の手間が省ける。特に1日で同じ授業を行うことで準備・片付けの手間が省ける。

進度や授業内容を統一することができる。担任(の指導力)による差がなくなる。

 

デメリット

 教科間の連携が取れない。国語で観察・記録文の書き方を学習して理科の観察記録を書く。資料の調べ方を国語で学習する。このようなことが教科担任になることで十分に機能しないことが心配される。

 体育などは、男性教員だから。など教科の得意・不得意があるのに、勝手に教科を決められてしまう。担当時間以外どのような授業を行うのか。非常勤講師で対応するのだろうか。

 

 教科担任は学級をもたずに、担当の教科だけ行うと言うのはまず無理。しかし、担任を持ちながら他の学級も教えると言うのは負担も大きい。また行事などの関係で震度がずれてしまった場合は準備も面倒になる。

 

 なぜ教科担任制にするのか、そのメリットを生かすにはどうしたら良いのか、カリキュラムマネジメントなど、これまでの学習過程と整合性を持たせるにはどうしたら良いのか、教員の意見もしっかり聞いた上で実施するかどうか決めてほしい。