日本語指導の難しさ 難しい漢字の指導

日本語指導の難しさ 難しい漢字の指導

 

昨年度より、外国にルーツを持つ子供たちの日本語指導を行うようになった。(外国にルーツをもつ子供たちも現状では日本で生活しているので、外国人という言い方はしない)

 

「保健室」を知らない

最初は漢字練習や算数など担任から依頼のあった学習内容。また国語の教科書にルビを振った上で音読の練習をさせた。しかし、教えていくにつれて違和感を感じるようになった。それは普通に知っていると思っている言葉を知らないと言うことである。例えば保健室や職員室と言った言葉も知らない。ただ子供たちも「知らない」と言うことはできないので、周りの子供の動きを見て真似をしていたようである。そのために担任も特に意識することなく話をしていた。

 

難しい漢字の指導

日本語指導の研修で「タイ語の文字を書いてください」と言われた。とにかくよく見て写す。それでも何が書かれているのか全くわからない。文字ではなく絵として捉えるしかなかった。それと同じことが漢字の指導にも当てはまる。

漢字の指導に難しさを感じるようになった。問題は、今までの指導方法が通用しないこと。外国にルールを持つ子供たちは、原則真面目。そのために今まで通りのやり方で漢字を指導すると一生懸命に絵として写す。何度も練習して書いているが、少し画数が多くなるとミスが目立ってしまう。書き順もその都度違っている。どこまで指導していいのか分からない。文字の意味を理解できていない。パーツの組み合わせとして捉えることができない。

また、1つの漢字なのに音読みと訓読みがあり、さらに何通りもの読み方がある。そして「七夕(たなばた)」などの読み方も覚えなければならない。

 

日本で学習するには、漢字の学習は避けて通ることができない。しかし、外国にルーツを持つ子供たちにはかなりハードルが高い。