職員を増やしたら教員の長時間労働は無くなるのか3

職員を増やしたら教員の長時間労働は無くなるのか3

 

仕事を増やすボランティア

 教科を増やしたことも負担を増やしている。さらに教員のモチベーションも下げている。なぜなら、小学校では自分の体験したことのない教科を教えなければならないから。自分の場合理科が好きだったので、小学校の免許と中学校理科の免許を取った。

 中学校で理科を教えることにそれほど不安はなかった。しかし、小学校で国語をどうやって教えるのか、未だに物語文になると悩むことが多い。

 

 その中で外国語の授業が入ってきた。小学校で教える程度なら自分一人でも何とかなるのだが、問題はボランティアの方が来てくださること。熱心な方だったために、事前に打ち合わせを行い、必要なプリントやカードはこちらが作らなければならなかった。月に2回ほどの授業だったが、その度に打ち合わせと教材作成で3時間ほどかかってしまった。

 

補助金で帰れない

10年ほど前、理科支援員等配置事業というものがあった。理科の授業を支援するために大学生や退職した教員に来てもらい、賃金を払って実験の準備などしてもらうということだった。一見、実験の準備や理科準備室の片付け、整理などやってもらえたことでかなり楽になるはずだった。しかし、実態は人を集めること。知り合いを頼って声をかけてもらう。

 

何とか支援員をやってくれる人を見つけると、勤務日を決める。通勤費や賃金の予算が決まっているので計算が面倒。さらに、事業が終わればレポート作りが待っている。2学期のこれから忙しくなる時期と重なっている。これらの作業をするのは全て理科主任などの教員。

 

 自分が関わってきた補助金は他にも特別支援教育就学奨励費がある。支援学級にいる子供の学習に関わるものを補助しようとする事業である。保護者に頼んで学用品や衣類などその子にかかった領収書を出してもらう。そして支出調書にまとめる。さらに学校で使ったものは教員がまとめる。一人当たりの金額が決まっているので、少しでも多くもらえるように、学校で使ってものはできるだけ書くようにする。

 この補助金の趣旨は良いと思うが、教員の負担がかなり大きい。この作業ができるのが授業後しかない。

 

 いいアイデアだと思い、文科省教育委員会補助金を出しているのだろう。しかし、そのことによって教員の負担がさらに大きくなるということまで考えが及んでいるのだろうか。