ICT(Information and Communication Technology)教育の問題点2

ICT(Information and Communication Technology)教育の問題点2

 

教員の負担を減らすことができない

 ICTなどのメリットを見ていると、必ず出てくるのが「教員の負担を減らす」という文句がある。しかし、実際にそうだろうか。このコロナ禍でも子供が学校に出てきて対面で授業を受けているのはどうしてだろうか。その一つとしてコンテンツがないと言うことである。コンテンツを作るのは教員である。子供が使うものである限り、メンテナンスは必要になってくる。業者に一任することができれば良いが、窓口は学校・教員になってしまう。

 

生徒のモチベーションが上がらない

 ICTなどの機器を使うようになると、学習塾でもタブレットなどを使った授業・学習が行われるようになる。今でもタブレットを使った授業を売りにしている業者もある。そのような子供たちはできることが増えモチベーションも上がるだろう。一部の子供のモチベーションが上がれば、下がる子供もいる。家庭でタブレットを触ったことのない子供は、使い方が分からないために、ますます機器から離れてしまう。「ぼくの家にタブレットがないから分からない」と嘆く子供の姿が見えてくるようである。

 

国語の読み取る力が低下する。

 国語の授業の目的は、書かれている文章から必要なことを読み取ることである。特に説明文では、書かれている文から必要な情報を得ることが目的となる。しかし、ICTによって情報を集めるようになれば、文章を読む必要がなくなる。多様な資料を用意することで

逆に国語の授業なのか理科の授業なのか分からなくなる。当然文章を読み取る力は育たない。

 

多様な考え方ができなくなる

 先年、「三国志」と言う映画が上映された。観に行ってないので詳しいことは分からないが、三国志ファンとしてはこれで三国志に対する固定観念ができるのは嫌だと思っていた。劉備の顔が大泉洋になってしまう。

 ライオンとシマウマの映像でも、ライオンの成長を追った動画ならシマウマが仕留められた時には「よくやった」と思うだろう。逆にシマウマが中心なら「ライオンなんか嫌いだ」と言うことになる

 ICTの授業でも最初に見た情報により、子供の考えは固定されてしまう。子供たちが色々な面から見た情報を得られれば良いが、そんなにあるわけではない。一部の偏った情報に強く影響される心配があり、考え方も同じになってしまう。