絵本 スーホの白い馬

絵本 スーホの白い馬

 今日は「スーホの白い馬」(作大塚勇三 絵赤羽末吉)を紹介する。2年生の教科書(東京書籍)にも掲載されているので読んだことのある人も多いだろう。

小学校に勤めていたときに何度も授業を行った。その度になんと物悲しい話なのだろうと思う。すっきりしないのである。

舞台は広大な草原が広がるモンゴル。そこでスーホは白い馬と出会う。一生懸命育てる中で成長していく。王様の心ない行為。そして殺されそうになっても、血を流しながらも何とかして少年の元へ帰ってきた馬。人間と動物との心の交流。馬頭琴という楽器の由来に話が繋がっていく。他の絵本のように馬がしゃべったりすることはない。淡々と話は進んでいく。スーホや馬の気持ちを考えながら授業を進めていく。

テレビで馬頭琴の演奏があるとすぐにこの「スーホの白い馬」の話を思い出す。

話も優れているが、赤羽さんが描かれた素朴な絵がとても印象的である。

読み聞かせも何度も行なった。明るくて楽しいお話ではないので、中学年でも十分に聞いてもらうことができる。

 

閑話休題

今年はコロナ禍のために、読み聞かせなどするより授業を進めることに重点が置かれてしまった。子供が落ち着かないときに、「スーホ」のような少し悲しいお話を読むようにしていた。子供の状況に合わせて絵本を選ぶことも教師のスキルと言えるだろう。

絵本 にゃーご

絵本 にゃーご

 今日は「にゃーご」(宮西達也作)を紹介する。2年生の教科書(東京書籍)にも掲載されているので読んだことのある人も多いだろう。私はここに出てくるネコがとても好き。先代のネコがニャーゴと同じキジトラのネコ(アー子)だった。ニャーゴを読む度にアー子のことを思い出す。ここに出てくるネコも心優しい。ここに出てくるネコは「にゃーご」としか言わない。本当はなんと言っているのか、考えながら読んでいく。どんな声を出して読むのか、読み手の工夫も必要。ハラハラしながらも最後は食ってやろうと思っていたネズミの子供たちから桃をもらって何もせずに帰って行ってしまった。

 

同じ作者の絵本に「おまえうまそうだな」などティラノザウルスが出てくる作品がある。これもとても好きだが、同じ作者か作ったとは思えなかった。しかし、宮西さんの優しさは感じることができる。

数年前に近くの美術館で宮西達也展があり見に行った。ちょうどその時に作品の説明をしている宮西達也さんを見かけた。くることが分かっていたら、もっと早くきたのに残念。

 

閑話休題

我が家にいたキジトラのネコも誰に対しても擦り寄っていくような人懐っこさというのか警戒心が全くなかった。カバンを置いておくといつの間にか入ってしまったり、お客さんが来ると玄関先までやってきたし、座っていればいつの間にか膝の上に座ったりしていた。この「にゃーご」を読むたびにアー子を思い出してしまう。

絵本 「そらいろのたね」

絵本 「そらいろのたね」

 今日は「ぐりとぐら」などの作者中川李枝子さんと大村百合子さんの最強タッグの絵本から「そらいろのたね」という本を紹介する。この本も読み聞かせの定番。どの学年を担任しても1度は読み聞かせをした。少し道徳的な面もあるので、その点からもよい1冊。

 久しぶりに読んで、ある昔話と共通点が多いことに気がついた。それは「さるかに合戦」と「ジャックと豆の木」である。ある日男の子は模型飛行機とキツネの持っていた空色のタネとを交換する。家に帰ってタネを蒔くとそこから空色の小さな家が出てくる。その小さな家は色々な動物の遊び場になっていきます。男の子が水をあげると空色の家はどんどん大きくなっていきます。

 それを見たキツネは「オレの家だ」と言って他の動物たちを追い出してしまうのですが・・・。そして空色の家は・・・。

 読み聞かせをした時に、家が大きくなりいろいろな動物が家に入っていく度に、子供たちは驚いたような、これからどうなるんだろうという反応をします。勧善懲悪的なところもあり、読み終えてから少し寂しいような気持ちになりました。

 主に小学校低学年の子供たちに読み聞かせをしましたが、中学年の子供たちでも十分に楽しむことができるお話。比較的短いお話なので短い時間での読み聞かせも可能。

 

閑話休題

 現在ならわざわざ読み聞かせなどしなくても、YouTubeなどでもっと面白い番組もある。しかし、自分も読み聞かせを大切にしてきたし、子供たちもだんだん引きつけられていく。さらに、子供が落ち着かない時や自分が少しイライラしているなと思った時に読み聞かせをする。読んでいくうちにだんだんイライラする気持ちがおさまってくる。子供たちも落ち着いてくるのはどうしてだろう。読み聞かせをして1日を始めるというのもいいかもしれない。

絵本でネコとイヌを比べる

絵本でネコとイヌを比べる

 どろんこハリー(作ジージオン)という絵本を紹介する。この絵本も人気がありシリーズ化されている。

ハリーは黒い斑のある白い犬。風呂に入れて洗われそうになると、ブラシを庭に埋めて逃げてしまう。そして機関車や道路工事の車の近くを通って白い斑のある黒い犬になってしまう。家に帰っても誰もハリーと気づいてくれない。気づいてくれるようにいろいろな芸をする。それでも気づいてくれないので、庭に埋めたブラシを取り出して風呂に飛び込む。そして綺麗になってやっとハリーだということを分かってもらえる。

この絵本を読んで、100万回生きたねこや11匹のねこに出てくるネコと読み比べてみたい。(先に断っておくと、ねこ派なのでどうしてもネコに肩入れしてしまうのは理解して欲しい)どうしても人間の元に帰りたいために色々な芸をする。最後にはせっかく埋めたブラシを取り出して嫌いな風呂に入ってしまう。嫌なことを我慢して組織から離れることができない人間にどこか似ている。

それと比べてどちらのネコも自由に生きている。100万回生きたネコのネコは野良猫になってやっと自分の命を大切に思うようになる。11匹のネコは人間すら出てこない。11匹のネコもとても仲が良いというわけでもない。美味しそうな魚がいれば、我先に食べてしまう。どこか自由に生きている。しかし、生きていきためには自分で食べ物を探さなければならない。食べ物があれば遠くの海や島まで行く。しかし、最後には失敗してしまう。これもどちらかというとネコらしい。なかなかうまくいかないものである。

 

閑話休題

ここまでネコとイヌを比べてきた。しかし、実際のネコとイヌを比べてみる。我が家のネコは夏はエアコン、冬は専用ホットカーペットが用意されている。家から出ることはない。逆に近所に飼われているイヌは寒いのに犬小屋の中にいる。

 

絵本(「ねずみくんのチョッキ」シリーズ)

絵本(「ねずみくんのチョッキ」シリーズ 作なかえ よしを 絵 上野 紀子)

 

 これも好きな絵本の一つ。娘はこのシリーズを集めていた。もうこのシリーズは34巻にもなっているとのこと。やはりシリーズになるような絵本は惹きつけられるものがあるのだろう。

ねずみくんのチョッキ、とても気に入っていたのにアヒルくんに「ねずみくんいいチョッキだねちょっと貸してよ」と言われ人のいいねずみくんは貸してしまいます。アヒルくんは「ちょっときついがにあうかな」と着てしまいます。それから次々と動物たちが現れてチョッキを借りてきていきます。最後にはゾウさんがきてチョッキを着てしまいます。

最後ぞうさんから返してもらうのですが、伸びてしまって着ることができません。そこでゾウさんはチョッキを使って・・・。

読み聞かせをすると、新しい動物が出てくるたびに「えー」とか「すごい」などの反応が子供達から返ってきます。

大人が読んでも十分に楽しむことができる1冊。Amazonでは「何歳のお子さんに読んだ?」という質問に対して「2歳」という回答が多く見られました。出てくる動物に合わせて声のトーンを変えるのもいいと思います。

コロナ禍の中家で過ごすことも多くなってきました。一度ゲームでなく読み聞かせをしたらどうでしょう。

 

閑話休題

上の子供の時には妻と争うように読み聞かせをしたのだが、次女の時には上の子の世話もありつい後回し。次女が器用にビデオテープを入れ替えて「ノンタン」を見ていた時には妻と驚くとともに申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。それからは何とか時間を見つけて読み聞かせをしました。今でも「ノンタン」を観るとその時の次女のことを思い出します。

絵本(ともだちやシリーズ)

絵本(ともだちシリーズ)

 今日は「ともだちや(作 内田麟太郎 絵 降矢 なな)を紹介したい。

 この絵本との出会いは、小学校に勤務していた時のこと。H先生というベテランの先生が道徳の授業に使うといって授業の流れを考えていた時のことである。その時に興味をもち、実際に図書室へ行って「ともだちや」を読んでみた。それ以来自分にとって必ず読み聞かせをする1冊となった。

 主な登場人物はオオカミとキツネ。オオカミとキツネとの出会いは、キツネが「ともだちや」を始めたことがきっかけ。友達になって、商売をしようと思ったキツネ。そしてキツネに声を掛けるオオカミ。

 「本当の友達って一体何なんだろう」と考えるきっかけを与えてくれる1冊。

 「ともだちや1時間100円・・・」とキツネは「ともだちや」を始める。オオカミはキツネを呼び止め、一緒に遊ぶ。遊び終わって、キツネはお代をもらおうとする。そうするとオオカミは激怒する。その代わりにオオカミがとても大切にしていたミニカーを渡す。

 ここに出てくるオオカミは一見乱暴そうに見える。しかし心は優しい。そのことを素直にキツネに伝えることができない。

 腰を痛めたクマのところへ毎日見舞いに行くオオカミ。しかし、そのことをキツネに隠す。見舞いにいかなければならないので、キツネに「遊べない」と冷たく言ってしまう。二人の心の行き違いにハラハラしながらも、読み終わると心が暖かくなる。

 ぜひ読み聞かせの1冊として選んでほしい。

 ちなみに、このブログを書いていて、担任していた子で転校して行った子のことを思い出した。その子が転校していくときに何か贈りたいと思い選んだ絵本がこのともだちやである。

絵本の話(おちゃのじかんにきたとら)ジュディス カー著

絵本の話(おちゃのじかんにきたとら)ジュディス カー著

 この絵本も好きな絵本の一つである。30年近く前に出された絵本だが、今読んでも面白い。ある日お茶の時間にトラが現れるところから話は始まる。大人だと「どこから来たのだろう」「お母さんと女の子は食べられたりしないだろうか」と心配してしまうが、そんな心配は全くしなくていい。

お茶のじかんにきたトラはお腹の空いているので、そこの家にある食べ物を全て食べてしまう。さらに水道の水まで全て飲んでしまう。読んでいて心が少し温まってくるようなお話。それ以上はネタバレになるといけないので。

 子供たちに読み聞かせをしていると「こんなトラが自分の家にも来てくれたら楽しいな」食べたものを話すたびに「えー」と言う声が返ってくる。最後まで読み終えると、ちょっと残念な顔をしている子供も。子供たちの頭の中は優しいトラでいっぱいになり、「うちにもトラが来てくれたらいいな」と思うようになる。

 タイガーフードは近くのペットショップでは売っていないが、女の子とお母さんはどこで買ったのだろう。

 

 アマゾンの評価も星五つ中4.2と高評価になっている。ぜひ家庭や教室でも読み聞かせしてほしい。