小学校における教科担任制について

小学校における教科担任制について

 

 今日の新聞に小学校の教科担任制の話が載っていた。体育も教科担任となるとのこと。これが中学校のようにうまく機能するだろうか。実際に教員の数を増やさなければ、十分な効果をあげることはできない。

 文科省の考えることだから、制度を変えても人件費を増やすことはないだろう。その理由を考えていきたい。

 

今までの教科担任ではいけないのか

 今までも音楽や家庭科では教科担任でクラスの担任以外の教員が担当することがよくあった。男性教員の場合、音楽の授業は別の教員がやることが多い。また高学年では家庭科の授業も担任以外の教員が行った。そして4時間ほどではあったが、その時間は教材研究やノートの点検などの時間として使うことができた。

 

中学校とは違う

 中学校のように全教科を教科担任で行うこと小学校ではできないのか。まず子供の数に対する教員の数が違う。中学校の場合1日に2時間ほどの空き時間があった。しかし小学校の場合には1週間で2〜3時間の空きしかない。今まで空いている時間に他の学級授業をしなければいけないというのは負担が増えることになる

 

教科の教員が揃わない

 女性というだけで家庭科の専科になっている場合もある。小さな学校では全ての教科を高学年の教員で揃えることは無理である。そうなれば授業の質が上がることは期待できない。

 

次の年度はどの教科をもつのかわからない

 中学校のように教科で免許が決まっているわけではない。他の学校に異動すればその学校の事情によりどの教科をもつかわからない。自分も1度自分の担任している学級で家庭科を教えたことがある。その時は妻に聞きながら授業の準備をしたが、その年以外担当していない。

 

学級でのトラブルへの対応

 小学校でも喧嘩などのトラブルがある。その時に指導にあたるのが担任である。必要なら授業を変えて、指導することもある。しかし次に他の学級の授業があるなら指導は後まわしになってしまわないだろうか。

 

 教科担任制について、心配なことを書いてきた。そのような制度の変更ではなく、教員の数を増やすこと。このことが最優先ではないだろうか。1番の問題は学校が振り回されてしまうことである。