日本語教室から1

日本語教室から1

 ここで書こうと思っていることは、外国にルーツをもっている子どもにだけ当てはまる問題ではないだろう。日本人の子供についても、中には同じような悩みを持っている子供もいるはずである。

この頃Netflixで韓国ドラマを観るようになった。ドラマの中での会話は、ほとんど聞き取ることができない。ときどき外国の地名や日本と共通の言葉が出てくると分かるが、何を言っているのかは字幕を見ないと分からない。

 日本語教室に来ている子どもたちも毎日同じようなことを思っているのではないだろうか。

 今年度より日本語教室の担当になった。ブラジルやフィリピン、ベトナムなどにルーツをもった子どもたちに日本語を教えている。(ベトナムから来た子は、ベトナムはとてもきれいなところだと話してくれるが、どうしてもベトナム戦争のことを思い出してしまう)

最初は教科書の漢字にルビを書いたり、算数で分からない所があれば教えたりしてほしいということだった。しかし、教えていくと次のような問題が出てきた。

 ・語彙が少ない。

 ・学校生活で必要な言葉(言い方)を知らない

 ・漢字が分からない。(音読み、訓読みのどちらを使うのか)

 ・友達とコミュニケーションができない

 今年度はコロナもあり、日本語教室のスタートがかなり遅れてしまった。始まってもしばらくは、教室で支援を行った。6月から日本語教室で授業が始まった。

 

語彙が少ないことについて

 学校で普通に使ったり、会話に出たりするもの名前を知らない。

 教「えんぴつってどれ?」

 子「これ?」

 教「違うよ」

 日本語教室ではこんな会話が続く。

 さらに、子どもたちは、分からないことを隠そうとする。そのために知っていると思って話を進めていくと、分かっていないということも多い。分からなくても、隣の子の真似をする。そのため、知っているか、確認しなければならなかった。

最初は物の名前から指導を行う。