日本語教室2(語彙を増やす)

日本語教室2(語彙を増やす)

今回、日本語教室で語彙を増やすのにどのような方法を取ったかお話したい。語彙は物の名前もあれば感情を表現する言葉もある。日本で暮らすためには相当数の語彙を理解させる必要がある。日本で育った子供なら、小さい時から自然に入ってきた言葉である。しかし外国にルーツを持つ子供たちは初めて知る言葉ばかりである。

物の名前の指導について

最初は動物や虫、花の名前のカードを使って、日本語の指導を行なってきた。公文などからも言葉のカードが出ている。

問題も出てきた。それは動物の名前は分かってもコンパスなど日常学校で使うものの名前が不確かな子供が多かった。

どうしてそのことがわかったかというと担任の先生からも、忘れ物が多いという話を聞いた。連絡帳には必要なことを書いているのだが忘れてしまう。しかし、子供に話を聞くと連絡帳に書かれたものがなんなのか分かっていない。保護者の方も理解できないということがあった。(これについては、保護者用にカードを作り、それを連絡帳に入れるということを指導員の方から教えていただいた)

そこで身の回りにある物の名前カードを作る。学校で普通に使われている言葉にする。(鍵盤ハーモニカ→ピアニカなど)

また、語彙の数を増やすために「しりとり」も行なった。今まで使っていなかった言葉を探すようになった。10個ほど出たところで、その物がどのような物なのか説明した。(今はネットがあるので、どのような物なのかすぐに見せることができる)

感情を理解させる

「うれしい」「楽しい」「悲しい」などの感情表現を理解させることは、さらに難しかった。「うれしい」と「楽しい」の違いを小学校1年生の子供に説明することができるだろうか。物の名前ならその物を見せればよい。しかし、感情表現となると見せることもできない。

「うれしい」「悲しい」など実際に他の先生と一緒にお芝居?をして見せることもあった。このような指導は外国にルーツをもつ子供ばかりでなく、特別支援学級に在籍する子供や教室の中にいる子供にも当てはまる場合がある。

もし忘れ物の多い子供がいたら、どうして忘れ物が多くなってしまうのか考えるのが教師の仕事だと思う。