丸付けについて

丸付けについて

 

 授業中子どものノートや課題を評価していくのは教師の大切な仕事の一つである。よく「できた子から持って来なさい」というあれである。わたしの場合、国語や算数では並ばせるようなことはしなかった。並ばせるかわりに、

 

教師の方が子どもたちの机の方に行って○を付けるようにしていた。

 

 どうしてかというと3つ理由がある。

 1並んでいる子どものノートに○を付けて行くと、並んで待っている間子どもたちは何もできない。おしゃべりにもつながる。 

 2教室全体を見ることができなくなる。気が付けば子ども同士でトラブルということも心配になる。

 3早い子と遅い子の差が更に開いていくこと。できない子への指導もできない。最悪の場合、できていないのに一度も教師の目が届かないこともある。

 

 具体的には

 課題(今からやる問題)を示したらすぐに机間巡視を始める。

 1まずあまり得意ではない子のところへ行き、取り組みの様子を見る。できていなければそこで更に解き方の説明をする。

 2できた子が手を上げ始めるので、○を付ける。できた子には次の課題を示す。間違っていたら何も付けずにスルーする。子どもは○がもらえないので間違っていることに気づく。早く手を挙げるような子はすぐに直すことができる。

 3その間も心配な子へはときどき様子を見に行く。

 4時間がかかっている子が間違えた場合には、どうして違っているのかヒントを出す。

 

 また、1列ずつ持って来させたこともある。この場合も列は長くならないし時間内に全員の子どもに声をかけることができる。

 ○を付けていく中で、子どもの間違いから教え方の軌道修正をしていくことやノートに書かれた感想から次の日の授業構想が生まれてくることも多い。

 

閑話休題

 昔は、行った課題やテストを家に持ち帰り、子どもが寝てから採点や朱書きを入れた。しかしこの頃は、もしなくしたり盗難に遭えば、次の日の新聞に載ってしまう。仕方なしに、学校で遅くまで丸付けをしたり、休日出勤をしたりすることになる。やはりブラックな職業である。

 

次はテストについて考える