絵本 サーカスのライオン

絵本 サーカスのライオン(作川村 たかし 絵 斎藤 博之 ポプラ社

 

 教科書に載っているのでこのお話は知っている人が多いだろう。

自分が心を惹かれるのは、後半の男の子を助ける場面は当然であるが、それ以上にライオンのじんざが故郷を想う場面である。どうも今の自分と重ね合わせてしまうところがある。サーカスにいていつの間にか歳をとってしまった。火の輪くぐりももう慣れてしまい特に緊張することもない。同じように教員になり39年が経った。学校での大抵のことなら大きな問題もなく終わらせることができる。39年間何度も繰り返してきたことだからである。しかし、新しいことはやろうとしない。

じんざは若い頃アフリカの草原を走っていたことを懐かしく思い出す。元気をなくしていると、街へ出て行っていいと言われ顔を隠して街に出る。そこで少年に会う。

しかし、その少年からは、「今日のライオン元気がなかった」と言われてしまう。その言葉を聞き、若い時のように頑張ろうと思った時に火事が発生する。少年の家が火事になる。その少年を助けるために。

最期はライオンの形をした炎となって空に上っていく。このブログを書くために改めてこの絵本を読み返した。授業では何度も扱っている。現役の教員で4年生の子供にこの教材を教えている時には全く考えなかった。4年生の子供にはじんざの気持ちを読み取ることはできないだろう。

わたしもこの光り輝く最期を迎えるじんざのような人生の終わり方もありなのかと思ってしまった。

絵本は読むたびに新しい発見をさせてくれる。

 

閑話休題

 コロナ禍で学校も大きく変わった。悪いことばかりではない。無駄な会議が無くなった。新任の先生の初任研の開校式も無くなった。今年無くなった会議や集まりは一体何のために行っていたのだろうか。

多忙化解消がこれで一気に進んでくれることを祈っている