絵本 まほうのえのぐ

絵本 まほうのえのぐ(作林 明子 福音館書店

 

 いつの間に絵を書くことを躊躇するようになってしまったのだろう。この絵本を子どもの本棚から引っ張り出してきて思った。水彩絵具の使い方を知ったのは、教員になってかなり経ってからであった。もともと絵を描くことは好きだったが、だんだん思い通りに描くことができなくなり嫌いになった。高校、大学では絵を描くようなことは全くなかった。それでいて、小学校の教員となれば絵を描かせなければならない。しばらくは我流で絵の具の使い方を教えてしまった。反省するばかり。

 今日は「まほうのえのぐ」という絵本を紹介する。この絵本は林明子さんが文と絵両方を描かれた作品。表紙の絵のように、子どもの描き方がとても素晴らしい。

よしみはお兄ちゃんのまほうのえのぐを使って絵を描いてみたくて仕方がない。何度もお願いしてやっと貸してもらえる。よしみが絵を描き始めるとヘビが絵の具を持って森の中へ入っていきます。よしみもヘビを追いかけて森の中へ。そこではいろいろな動物が出てきます。林さんらしい、とても優しい色使いで描かれています。

この絵本にもっと早く出会っていれば、絵を描くことが嫌いにならずにすんだかも。

 

閑話休題

「水彩絵の具は薄めて使うこと」このようなことは誰にも教えてもらわないで教員になってしまった。写生大会の時にはベタベタに水彩絵の具を塗った作品を学級の入選作品に選んでしまったこともある。今のように簡単に絵の具の使い方を検索できるわけではなかったし、指導書に書かれていたとしても読まなかっただろう。あの頃図工を教えていた子どもたちにはここで謝りたい。