絵本 ぼちぼちいこか

絵本 ぼちぼちいこか(作マイク・セイラー 絵ロバート・クロスマン訳今江 祥智)

 

 教員になったのは、バブル期真っ盛り。「24時間働けますか」などというCMもあったくらい。このまま日本が発展していけば、みんな金持ちになる。今日より明日の方が幸せと何の根拠もなく思っていた。そこからバブルの崩壊。失われた10年などという言葉が続く。

 そのような時に出会ったのが、この「ぼちぼちいこか」である。主人公はカバ。カバくんはいろいろな職業にチャレンジしていきます。

 「ぼく、しょうぼうしになれるやろか」消防服を着込み、梯子を駆け上がっていきますが、梯子がカバくんの重みで・・・。「なれへんかったわ。」それからもいろいろな職業にチャレンジしますがどれも思ったようにうまくいきません。

 それでもカバくんは「ぼちぼちいこか」と。

 このコロナ禍で思いようにいかないことがあまりに多くなっています。そんな時こそ、カバくんの「ぼちぼちいこか」という言葉に癒されるのではないでしょうか。今江 祥智さんの関西弁の訳も秀逸。思わず肩の力が抜けていきます。このブログを書くために、改めて絵本を見たのですが、日本人の作品だとばかり思っていました。小学校中学年の子にも十分に楽しんで(考えて)もらうことのできる1冊。

 

閑話休題

同じカバを扱った「かばくん」という絵本もあります。こちらものんびり、ゆったりと読み聞かせをすることができます。こちらはもう少し小さいこども向け。