絵本 わにのバンポ

絵本 わにのバンポ(作大石 真 絵 長新太 ポプラ社

 

 コロナ禍の中、自分さえよければという風潮が強くなってきたと思う。緊急事態宣言が出されている中、銀座に行く国会議員。自分の行動が周りにどのような影響を与えるのか考えられないのだろう。また、渋谷の人出やデパートで催されているバレンタインのチョコレート展をレポートしている。不要不急の外出は止めましょうと言っているのに。

このような人に今回は「わにのバンポばんぽ」という絵本を読んでほしい。

 ワニのバンポは、歯の掃除をしてもらっていた友だちのチドリを、間違ってのみこんでしまいました。そこで、森の中に住む物知りの白いおうむに相談しに行きました。

たった一つの方法がとてもにがい『にがよもぎ』の葉っぱ三枚を、かんでしるをのみ、お日さまに向かって口を開けっ放しにするということでした。

 カブトムシが鼻をくすぐっても、とらの子にけっとばされても、我慢して口を開けていました。そして二人の猟師が、バンポを、まさに今、狙い打ちにしようと鉄砲をかまえました。バンポが命懸けで友達を助けようと頑張っている姿が長新太さんの絵でほのぼのと描かれています。

 友達の命を救いたいために、一生懸命に我慢するバンポ。コロナ禍の中、家族や周りの人に感染させないために我慢している人がたくさんいるはずです。

我慢している人たちを取材するメディア、国民のために一生懸命に我慢して範を示す国会議員の方こそ絶滅危惧種ではないでしょうか。

 

閑話休題

「時を戻そう」というフレーズで人気のあるぺこぱ。妻と車に乗っていたら、「どこまで時を戻したいか」という話になった。妻からは結婚当時に戻って、「もっと運動するように言いたい」と言われてしまった。

戻れるなら、いつでもいいから戻りたい。この歳になるとその都度その都度「こうすれば良かった」と思うことが増えてくる。「今が一番若い」ということは分かっているが。