絵本 はれときどきぶた

絵本 はれときどきぶた(作・絵矢玉 四郎 岩崎書店 1980年)

 

 小学生の頃、運動会や写生大会などの行事が嫌いな子どもだった。1日中運動場にいて気分は悪くなるし、徒競走では後ろから数えた方が早い。担任はいつも以上に気合が入っているし、休みの日に出ていかなければならなかったし。

 小学生の頃は10月に運動会は行われていた。そのために9月に入って少し経ってから練習が始まった。それに今から50年ほど前は今のように酷暑日などということもなかった。お盆を過ぎれば、どことなく秋を感じることができた。

 それでも、雨が降らないか、そして運動会がなくなるように願っていた。教員になってからもこの思いは変わらない。1日外にいれば腕は真っ赤になってしまうし、日焼けもする。そんな時に出会ったのが、この「はれときどきぶた」の絵本である。

主人公の男の子は、お母さんに日記を見られたことに腹を立て、「あしたの日記」としてへんなことを書き始めます。トイレに大蛇がいた! お母さんが鉛筆を天ぷらに! 金魚が飛び回る、お母さんの首がのびた、そして空からぶたが降る!? はたして日記を書いた後に起きたこととは?

本当に思い通りになったら、最初は面白いと想うかもしれない。しかし、本当に自分の書いた通りになったら、逆に恐ろしくなってしまうだろう。本来ならホラーかもしれないが、作者の軽妙な話につられて最後まで一気に読んでしまう。

今から本当に40年も前の絵本なのだろうか。

 

閑話休題

運動会について、延期、中止になってほしいと思いながらも今まで中止になったことは昨年までなかった。今年はコロナ禍のためになくなってしまった。無くなると少し寂しさを感じてしまう。