絵本の魅力 100万回生きたネコ

絵本の魅力 100万回生きたネコ

 佐野洋子さん「100万回生きたねこ」については、日本人なら誰でも知っていると言っても過言ではないだろう。

 2年ほど前特別支援の担任をしているときに、一度子供達に読み聞かせをした。子供たちは本当に読み聞かせが好きである。静かに絵本を見つめる目はいつまでも大切にしたい。そして名作というのは何歳で読んでも新しい発見があることを感じた。実はその時に心に響くものがあり、子供たちの前だったが泣きそうになった。

前半部分の何度も死んでしまう場面は何とか普通に読むことができたが、白猫と世帯をもち子供が産まれそして白猫が死んでしまう。今まで生きることに何も考えていなかった猫が初めて泣く。初めて生きてほしいと思ったのに、死を受け入れなければならない。今まで読んだ時には、猫が最後死んでしまう場面でも普通に読むことができたのに、自分の現状と重ねて読んでしまったから、その前に病気を患い生きるということを意識したからかもしれない。

年に1、2度読んでいて、心がいっぱいになってしまう絵本がある。年齢や経験を積むとまた新鮮な気持ちになる。もう一度読んでしまったからと言わず、絵本をもう一度読み直してみたらどうでしょう。きっと新しい発見があるはずです。