絵本 感想文に困ったら
絵本 感想文に困ったら
ばばばあちゃんシリーズ(さとう わきこ作・絵 福音館)
最近、女性が強くなったと言われている。特に我が家ではその傾向が強い。
今日紹介するのは、さとうわきこさんの「ばばばあちゃん」シリーズ。他にも「せんたくかあちゃん」という作品もある。どちらの作品も面白いが、出てくる女性の逞しいこと。鬼だって逃げ出してしまいそう。
おすすめは「おりょうりえほん」のシリーズ。ばばばあちゃんは、よもぎ団子やお餅つき、アイスティーなど色々なものを作る。作り方もレシピとは言えないが、簡単な説明は書かれている。読み聞かせも当然面白いが、絵本を読んだら大人と一緒に作るのもいい。そして一緒に食べたら感想文もできてしまう。本の感想でなくても、本を読んで(もらって)実際に作れば立派な感想文になる。
読書感想文について
ばばばあちゃんシリーズで読書感想文に適しているという話をしたので、読書感想文について少し話をしたい。
「読書感想文では本の感想を書いてはいけない。」
矛盾したような言い方だが、実際に夏休みの宿題として子供から出された感想文を読んでいくとそのことを強く感じる。「この時、わたしは〇〇と思いました」これがいくつも書かれている。読んでいて何も伝わってこない。
本来何のために本を読むのか。ただの娯楽ではなく、その本を読むことで、読んだ子供が変わること。ビフォー、アフターである。読むことで、行動したり考え方が変わったりすることが重要。その意味では、読書感想文は本選びで8割ほど決まってしまう。
私が担任した子供で、毎年読書感想文で代表に選ばれる子供がいた。その子は「五体不満足」「盲導犬クイール」など。実際に手を使えなくしたり、目隠ししたりして登場する人と同じ体験をし、そのことを感想文にまとめた。面白いだけの本と比べると説得力もあるし、子供の成長も感じることができた。
読書感想文で課題図書について、どう判断して良いのか困ったことがあった。「ウラパン・オコサ かずあそび」という絵本である。読み聞かせだけするならまだいいが、これで読書感想文はどうやって書いたらいいのか、自分でも分からない。この本が課題図書に選ばれた時、一度読んでみたがちっとも感想が出てこなかった。