授業の失敗シリーズ 特別支援学級での失敗

授業の失敗(隅に行かないで)

 この失敗は特別支援学級の担任を初めてした時のことである。たまたま研究発表に当たり、どのような授業をしようか悩んでいた。勤めていた小学校では、支援学級では一応のカリキュラムは存在したが、授業公開で行う授業については全く決まっていなかった。その中で子供たちの発想が生かされ、興味をもって取り組むことのできる教材を考えていた。

 担任していたのは男子2名。また生活単元の授業の一環として近くの大工さんの所にも顔を出していた。そこでは木の切り方や釘の打ち方を教えてもらった。

 そこで考えたのがゴム鉄砲作りだった。幅3センチほどの薄い木材を切ってゴム鉄砲を作り、的当てゲームをするというものである。公開授業までは幾つもゴム鉄砲を作り、的当てゲームを楽しんでいた。彼らなりに的の狙いかたなど工夫していたので、頑張っている姿を見てもらえるだろうと期待していた。

 ところが公開授業当日、数名の先生たちが授業を見に来た。今まで知らない人(先生)に授業を見てもらうといいうことがほとんどなかったために、一人の子が完全にパニック。教室の隅から動かなくなってしまった。もういくら声をかけても動かない。引っ張り出すこともできず、授業が終わってしまった。

 他の学校の先生のコメントなど当然見る気になれない。授業後の協議会ではもう一人の主任の先生の授業のことしか話題に上がらなかった。針の筵というのはこのことだろう。

 

 この失敗の原因は

 子供のことを知らなかった

 ということである。今だったら、一つ一つやることを示し、安心して授業に取り組むことができるようにしていただろう。また、校内の先生にも手伝ってもらい、慣れるために来てもらってもよかった。

 今こうして書いていても冷や汗が出る。