授業の失敗シリーズ(国語は理科じゃない)

授業の失敗シリーズ(国語は理科じゃない)

 長年教員をやっていても良かったと思えるような授業はほとんどない。さらに準備して臨んだはずの授業研究会での授業は失敗続き。どのような失敗をしたのか、同じ轍を踏まなくてもいいようにお伝えしたい。

 

 国語は理科じゃない

 国語をしなければならなくなった時、説明文を選ぶことが多かった。1番の理由は自分も好きだから。物語文で主人公の心情の変化を読み取っていくのはどうしても好きになれない。

 「自然のかくし絵」や「ビーバーの大こうじ」(東京書籍)などは授業自体おもしろいし、子供が知識を得て自然に興味をもってくれれば自分としてもとてもうれしい。

 しかし、そこに落とし穴があった。理科の教員免許を持っている教員としては、子供たちに図鑑やビデオなどいろいろな資料を用意する。そして理解を助けるために模型まで作ってしまうこともある。得意満面といったところか。これだけやっておいて授業に入る。

 しかし、これは国語の授業、理科ではない。さて子供たちが文章を読み取る力は付いただろうか。答えはノーである。教科書に書かれた文と教科書に載っている写真だけで本来勝負しなければいけない。他の資料がいくらあっても本来国語の授業が目標とする力をつけることはできない。段落に書かれていることをきちんと押さえて、文と文の関わりを押さえていく。写真や挿絵と書かれている内容を対応させていく。このような地道な授業をしていかなければいけない。

 もちろん単元の発展として、図鑑やビデオ教材など使って子供の興味・関心を高めていくことは重要だと思う。

 教員として、少しでも子供のためを思って準備することはよくあること。しかし、教科や単元の目標を見直してどのような授業をしていくべきなのか、考えなければならない。