水泳指導の外部委託について2

水泳指導の外部委託について2

 昨日に続き、今回は学校での水泳指導にどのような問題があるのか人的な面から考えていきたい。 

 

子どもが死ぬ。

 毎年残念ながらプールの事故で子どもが死んでいます。そのためにプールが始まる前には、人工呼吸やAEDを使った訓練を全員参加で行います。教員の中にも子供を死なせてしまったというトラウマを抱えている人もいます。低い水温や外気が35度近くあるところから水の中に急に入ることで死亡につながることがあります。当然くどいくらいに健康観察を行っているのですが。 

 

人が足りない

 プールに子供を入れるにはクラス数+2名の教員が必要。その2名は子どもが事故に合わないように常に水面を見ている。そのために教頭が監視役になることもある。常に人が足りない中でのプール指導になる。3クラスの学年でも、実際に水の中に入って指導するのは2名くらい。安全管理が中心で水泳指導までは無理。

 

子どもは休めても担任は

 風邪などの体調不良なら子どもは休むことができる。しかし、担任は多少風邪をひいていても休むことはできない。特に低学年の教員は水に入って子供の指導をしなければならない。時には曇っていて水温が十分に上がっていなくても入らなければいけないこともあります。女性の教員の場合には、入ることができないような日でも入らなければなりません。(または、男性の教員に「今日は入ることができません」と言うことも。)

 

プール指導の本当の目標―子どもが死なないこと

 20年近くまでは平気で飛び込みをさせていました。それが飛び込みによる事故が発生してから飛び込みは行わないことになりました。泳いでいる間にも1時間に1回はプールサイドにあがらせて全員そろっているか確認します。また、少しでも水温が低ければプールには入りません。(自分の体を守るためにも)

 

教員全てが泳ぎが得意というわけではない。

 一部の教員を除いて、水泳が得意なわけではない。40年程前には教員採用試験の項目に25メートルを泳ぐというのがあった。何とか泳ぎ切ることはできたが、50m泳がなければ行けないのだったら他の県を受験していた可能性もある。口では泳ぐことができるような振りをする。5m程の距離なら見本を見せることもできる。(平泳ぎは無理)