絵本 スーホの白い馬
絵本 スーホの白い馬
今日は「スーホの白い馬」(作大塚勇三 絵赤羽末吉)を紹介する。2年生の教科書(東京書籍)にも掲載されているので読んだことのある人も多いだろう。
小学校に勤めていたときに何度も授業を行った。その度になんと物悲しい話なのだろうと思う。すっきりしないのである。
舞台は広大な草原が広がるモンゴル。そこでスーホは白い馬と出会う。一生懸命育てる中で成長していく。王様の心ない行為。そして殺されそうになっても、血を流しながらも何とかして少年の元へ帰ってきた馬。人間と動物との心の交流。馬頭琴という楽器の由来に話が繋がっていく。他の絵本のように馬がしゃべったりすることはない。淡々と話は進んでいく。スーホや馬の気持ちを考えながら授業を進めていく。
テレビで馬頭琴の演奏があるとすぐにこの「スーホの白い馬」の話を思い出す。
話も優れているが、赤羽さんが描かれた素朴な絵がとても印象的である。
読み聞かせも何度も行なった。明るくて楽しいお話ではないので、中学年でも十分に聞いてもらうことができる。
今年はコロナ禍のために、読み聞かせなどするより授業を進めることに重点が置かれてしまった。子供が落ち着かないときに、「スーホ」のような少し悲しいお話を読むようにしていた。子供の状況に合わせて絵本を選ぶことも教師のスキルと言えるだろう。