絵本(ともだちやシリーズ)

絵本(ともだちシリーズ)

 今日は「ともだちや(作 内田麟太郎 絵 降矢 なな)を紹介したい。

 この絵本との出会いは、小学校に勤務していた時のこと。H先生というベテランの先生が道徳の授業に使うといって授業の流れを考えていた時のことである。その時に興味をもち、実際に図書室へ行って「ともだちや」を読んでみた。それ以来自分にとって必ず読み聞かせをする1冊となった。

 主な登場人物はオオカミとキツネ。オオカミとキツネとの出会いは、キツネが「ともだちや」を始めたことがきっかけ。友達になって、商売をしようと思ったキツネ。そしてキツネに声を掛けるオオカミ。

 「本当の友達って一体何なんだろう」と考えるきっかけを与えてくれる1冊。

 「ともだちや1時間100円・・・」とキツネは「ともだちや」を始める。オオカミはキツネを呼び止め、一緒に遊ぶ。遊び終わって、キツネはお代をもらおうとする。そうするとオオカミは激怒する。その代わりにオオカミがとても大切にしていたミニカーを渡す。

 ここに出てくるオオカミは一見乱暴そうに見える。しかし心は優しい。そのことを素直にキツネに伝えることができない。

 腰を痛めたクマのところへ毎日見舞いに行くオオカミ。しかし、そのことをキツネに隠す。見舞いにいかなければならないので、キツネに「遊べない」と冷たく言ってしまう。二人の心の行き違いにハラハラしながらも、読み終わると心が暖かくなる。

 ぜひ読み聞かせの1冊として選んでほしい。

 ちなみに、このブログを書いていて、担任していた子で転校して行った子のことを思い出した。その子が転校していくときに何か贈りたいと思い選んだ絵本がこのともだちやである。