教員の恋愛観

教員の恋愛観

 

どこの学校の教員?

 職員室でこの頃聞かなくなったことの一つに「教員同士の結婚」がある。私たちの頃には「結婚する」と言うと「どこの学校の人」と聞かれたものである。特に60才以上の教員の場合教員同士の「恋愛結婚」「お見合い結婚」が多い。そのために、結婚が決まると「相手はどこの学校?」と聞くことが多かった。

 まず同じ学校でもゆっくり話す時間がない。平日は忙しいし、小学校は女性教員の多い職場である。男性教員からすれば、モーションをかけることも可能だとは思うのだが。女性教員からすれば、いつも姿を見ている分ときめきが感じられない。自分には娘が二人いるが、教員をしていない。教員を結婚相手として選ぶこともないだろう。

 自分の妻も教員をやっていた。妻が新任の時から教え方や困っていることの相談相手になっていた。また、逆に教材を作る手助けをしてもらったこともある。仕事が終わってから食事に行くこともあった。まず二人で話をする時間もあった。ただ仕事が辛くなり寿退社という道を選んだのだが。

 

時間が取れない

 互いに仕事に対して認め合っていたところもあった。しかし、現在の教員の人たちを見ていると愚痴が出てしまうのだろう。それ以上に勤務が終わってからゆっくり話をする時間もないようだ。日曜日もどちらかが学校で仕事。学期末になれば二人とも忙しくなる。

 

明日から夏休みだが。

 明日から夏休み。本来なら一息つくことができるはず。もちろん子どもが来ない、相手をしなくて済むということはある。しかし、これから不登校の子供の家庭に宿題と通知表を持って行ったり、給食費などの未納がある家庭に支払ってもらえるように連絡したりと、今までとは違う対応をしなければならない。

 

日本語教室での指導を通して

日本語教室での指導を通して

 

 もうすぐ夏休み。今まで以上に短く感じた。学校行事がほとんど延期か中止になり季節を感じることが少なくなった。特に運動会が9月に延期になってしまった。途中まで練習していたが、またやり直さなければ行けない。

 そのよう中でも外国にルーツをもつ子供たちに対して日本語指導を行ってきた。その中で感じたことを記していく。

 

3ヶ国語を使うことができる子

 昨年いじめを受け、語学指導員さんと一緒に支援を行った子供がいる。髪の毛や皮膚の色の違いで差別やいじめをしようとする子供がいるのはとても残念である。その子は母語とまだ十分ではないが日本語、そして英語を使うことができる。特に英語は韓国ドラマを英語の字幕で観ているとのこと。いじめている子供よりも将来的に伸びるはず。

 

宿題だけは同じ

 日本語教室に来る子供にも同じように宿題が出される。夏休みも高学年となればポスターや作文、読書感想文の宿題がある。1文書くのにも苦労している子供たちに書くことができるだろうか。作文など母語で書けばいいのにと意地悪く考えてしまう。

 ポスターや自由研究もしっかりと趣旨を説明すべきだと思う。一番良くないのは、宿題を出しておいて「やってこなくてもいい」とか「できる問題だけでいい」という言い方だろう。やってこなくていいなら宿題を出さなければいい。

 

外国にルーツをもつ子供に対して教師ができること

 なかなか担任も忙しいし、その子意外にも目を配らなければいけない子供がいることも分かる。なんとか言葉のハンディを埋める工夫ができないだろうか。例えば、国語以外の教科のテストにルビを付けるだけでもいい。忙しければ日本語教室の担当に依頼してくれればいい。

 

特に理解して知っておいてほしいのは「学校で習っていないことはわからない」ということである。このことについては日を改めて。

水泳指導の外部委託について2

水泳指導の外部委託について2

 昨日に続き、今回は学校での水泳指導にどのような問題があるのか人的な面から考えていきたい。 

 

子どもが死ぬ。

 毎年残念ながらプールの事故で子どもが死んでいます。そのためにプールが始まる前には、人工呼吸やAEDを使った訓練を全員参加で行います。教員の中にも子供を死なせてしまったというトラウマを抱えている人もいます。低い水温や外気が35度近くあるところから水の中に急に入ることで死亡につながることがあります。当然くどいくらいに健康観察を行っているのですが。 

 

人が足りない

 プールに子供を入れるにはクラス数+2名の教員が必要。その2名は子どもが事故に合わないように常に水面を見ている。そのために教頭が監視役になることもある。常に人が足りない中でのプール指導になる。3クラスの学年でも、実際に水の中に入って指導するのは2名くらい。安全管理が中心で水泳指導までは無理。

 

子どもは休めても担任は

 風邪などの体調不良なら子どもは休むことができる。しかし、担任は多少風邪をひいていても休むことはできない。特に低学年の教員は水に入って子供の指導をしなければならない。時には曇っていて水温が十分に上がっていなくても入らなければいけないこともあります。女性の教員の場合には、入ることができないような日でも入らなければなりません。(または、男性の教員に「今日は入ることができません」と言うことも。)

 

プール指導の本当の目標―子どもが死なないこと

 20年近くまでは平気で飛び込みをさせていました。それが飛び込みによる事故が発生してから飛び込みは行わないことになりました。泳いでいる間にも1時間に1回はプールサイドにあがらせて全員そろっているか確認します。また、少しでも水温が低ければプールには入りません。(自分の体を守るためにも)

 

教員全てが泳ぎが得意というわけではない。

 一部の教員を除いて、水泳が得意なわけではない。40年程前には教員採用試験の項目に25メートルを泳ぐというのがあった。何とか泳ぎ切ることはできたが、50m泳がなければ行けないのだったら他の県を受験していた可能性もある。口では泳ぐことができるような振りをする。5m程の距離なら見本を見せることもできる。(平泳ぎは無理)

 

水泳指導の外部委託について1

水泳指導の外部委託について1

 

  校内でプールがあるために、どれだけ教員に負担があるのか知ってほしい。プールに子供を入れる前から教員の仕事は始まっています。

 

5月プール掃除

   5月の中旬になるとプール掃除を行います。6年生は5時間目からデッキブラシでプールの壁面や床を磨いていきます。しかし、プール担当の教員は夜の10時くらいから水を抜いていきます。

   抜ききってしまうと泥がうまく排水溝に流れていきません。逆に水が残っていると何時まで経っても掃除が終わらないのです。そのため何度もプールに行き水の抜け具合を確認します。

 

水を入れる

   昼にプールに水を入れると周りの水道の水圧が下がってしまうために、深夜から朝にかけて給水をします。プールの給水用のバルブを開けるのは当然教員です。

 

プール掃除

   学校のプールは露天なので、木の葉や砂が入ります。夏休みに入ったくらいにプール掃除をします。大きな掃除機を使ってプールの底にあるごみを吸い出していきます。これも教員の仕事です。

 

いたずら

プールの周りにはフェンスがあり、その上には有刺鉄線が巻き付けてあり、勝手に入ることができないようになっています。それでもプールに入ろうとする人がいます。プールに入るだけでなく、プールサイドで飲んだり、食べたり。ガラス瓶が投げ入れられたこともあり、最悪水を入れ替えるということもありました。

 

消毒

   以前は腰洗い槽というのがあり、そこに入ってからプールに入りました。今でもプールに消毒を入れるのは教員の仕事です。塩素剤を薄めて使うのですが、服に付くと色が抜けます。薬液が付いたまま服に触るだけでも色が抜けてしまう。気を付けていても3年に1度くらいはポロシャツが使い物にならなくなります。

 プールは6月から7月までの2ヶ月しか使いません。しかし、そのためにどれだけ教員の手間が増えているのかと言うことを考えていただけるとありがたいです。さらに事故が発生すれば、これも全て教員の責任になってしまうのです。

 

パソコン事始め

パソコン事始め

 今日は今から35年ほど前のパソコン事情について今日はお話ししたい。

 

BASIC

今はWindows10である。35年ほど昔はMS-DOS。BASICと呼ばれるプログラミング言語があり、よくパソコン雑誌にはプログラムが載っていた。まだメールなどは一般的ではなかったので、プログラムをひたすら打ち込んで遊んだ。簡単な統計処理ぐらいだったら自分でプログラムを組むこともできた。

 

フォートランとコボル

それ以前はフォートランというOSが主流だった。分厚いパンチカードを持って情報処理室に行く先輩の姿がかっこよく見えた。今では全く考えられない。

次にワープロソフトが出てくる。しかし、スイッチを入れればすぐに使える専用機の需要が高かった。

 

データの保存はテープレコーダー

データの保存はテープレコーダーを使っていたこともある。ハードディスクが出てくるまではフロッピーディスクが中心。その頃は本体、ディスプレイ、プリンターと車でなければ運ぶことができなかった。

 

ラップトップ

次にノートタイプのパソコンが登場する。まだ画面は白黒の液晶画面

パソコンでワープロが使えるようになる。その頃は一太郎というソフトが幅を利かせていた。使い勝手はよかったのだが、いつの間にかワードに代わられてしまった。25年ほど前には一太郎とワードを選ぶことができた。しかし、いつの間にかワードしかプリインストールされなくなった。それでもしばらくの間は一太郎を購入してインストールしていた。

 

使えるようになるまで1日

 さらに新しくパソコンを購入すると、いろいろと設定しているだけで丸1日かかってしまった。その分、購入した時にどのように設定したら良いか丁寧に説明されていた。

 

テレホーダイ

 インターネットも普及し始めた。しかし、電話回線を使っていたのでアクセスポイントまでの電話代がかかる。あの頃は11時過ぎると安くなる。しかし、急に通信速度が遅くなる。繋げて、できるだけ早く切るようにしていた。

 現在とは隔世の感がある。

いまだに無くならない教員免許更新制度

いまだに無くならない教員免許更新制度

 

もうすぐ、夏休みが来る。教員免許更新のための受講が行われる季節でもある。コロナ禍で、在宅の看護師免許を持っている人が現場に復帰したという記事があった。看護師免許は一時家庭に入っても簡単に現場に復帰できるようである。しかし、医療については日進月歩のはず。どうして看護師の免許は更新制度がないのに、教員はあるのか納得がいかない。

 しかし、教員の場合はどうなるだろう。

 教員免許更新制度は廃止が一番だと思うが、せめてこの2点は改善してほしい。

 1原則無料にすること(実費の負担は仕方がないと思うが)

 2夏休みなど、学校で講習を受けることを認めること(アナウンスをすること)

 

1 無料にすること

 オンライン講座でも三万円ほどかかる。この費用は自腹になる。特に教員免許を取得していても、家庭に一旦入ってしまった人には大きな負担になる。せめてオンライン講座くらいは無料にして欲しい。

 さらに大学まで1週間通って講座を受けると交通費まで必要になる。遠距離の場合は宿泊も考えないといけない。

 中には市の教育委員会で講習の講座を開いているところがあった。講座の選択肢は狭いかもしれないが必修の研修だけでも行えるはず。

 

2 夏休みなど、学校で講習を受けることを認めること(アナウンスをすること)

 学校によっては、勤務時間中にオンラインで講座を受けていると個人的なことなので学校ではやらないでほしいと言われているらしい。会議と会議の間の時間や昼食を食べている間などは認めるべきだと思う。教員は自宅での研修も認められているので、免許更新も当然認められるべきである。

研修として認められることを、正式に文科省教育委員会は共通理解としてアナウンスすべきである

 

教員免許は65歳まで有効。再任用制度が終わる歳である。64歳の時には更新するかどうか決めなければならない。家計を考えると非常勤でも続けていきたいとは思うが、体が続くかどうか。さらに金銭的な負担も考えもの。

 

コロナ禍で見えてきたこと やらなくてもいいことが多い

コロナ禍で見えてきたこと やらなくてもいいことが多い

 

特別支援発表会

 コロナ禍で学校の行事もかなり中止や縮小がなされた。しかし、この行事をやらなかったから子供の(心の)成長が見られなかったということがどのくらいあっただろうか。

 私の勤めている市では2月に特別支援学校や学級に通っている子供たちの発表会が市民ホールで行われていた。例年3学期に入ると授業よりも発表会の練習に力を入れる。特に近くの学校と一緒に出るので合同練習も必要だった。合わせて作品の展示もあるので、授業に影響が出ることもあった。インフルエンザで学級閉鎖もある時期だったので、時期を見直してほしいなどの要望があった。

 年々特別支援学級に入る子供が増えてきたこともあり、千人以上入るホールがいっぱいになってしまった。

 それが昨年のコロナ禍で中止になった。簡単に中止が決まった。作品展も行われない。今まで発表する機会を作るという目的はどこに行ってしまったのだろう。

 

卒業式での1年生の参加

 卒業式も随分形が変わった。今までは1年生の児童も参加していた。厳粛な雰囲気で行いたいという矛盾もあった。式の間、1年生も体を動かすこともできない。時にはお漏らしもあり、わからないように処理することも。6年生の担任も忙しいが、それ以上に1年生の担任は子供の様子を見ていなければいけないので、式の間気楽にすることはできなかった。

 それが、コロナのために6年生とその保護者のみの参加になった。今までだったら、1年生でも毎日練習があったが、式に参加しなくてすむようになったので、授業も行うことができた。

 全学年で卒業を祝うという目的はどこへ行ってしまったのだろう。

 

 ブラックと言われているが、行事の見直しで少しでの教員の負担を減らすことが必要だろう。実際に無駄なことが多いと思う。