東日本大震災3

 

 勤めていた小学校では、東海、東南海地震に備えて以前から防災教育を行なって来た。そのために阪神淡路大震災ではNHK特集などを録画して子どもたちに見せた。子どもたちは震災の恐ろしさを目の当たりにしてどのような備えが必要なのか考えさせることができた。

 しかし、その時に感じた違和感。阪神淡路大震災では、車で少し行けば普通の生活があったし、被害地が円を描いていた。比較的短い時間で支援の他が入ったように思う。また、都市直下型の地震だったために、規模としてはそれほど大きいわけではない。しかし、想定されている東海地震では、被害地が面として広がって行くこと。つまり広い範囲で被害を受け救援物資がなかなか届かないと思っていた。

 しかし、東日本大震災は大きなショックだった。マグニチュードが9を超え、東北地方沿岸が広い範囲に渡って被害を受けた。震源も点ではなく広がっていた。

テレビでの放送を観るだけで何もできなかった。さらに原発事故が重なる。想定外という言葉が何の意味も持たないということを感じた。

私の住んでいる市は海に面している。その中でもある中学校は埋め立てたところに建てられているので台風の後は潮をかぶった木々に水をかけなければならない、避難訓練ではどちらに逃げるのだろう。海に面した校庭なのか、倒壊の危険があっても校舎の最上階に避難するのか。そんなことまで考えてしまった。

 

 一度北淡町の震災記念館に行ったことがある。実際に地震を引き起こした断層が展示されていた。この断層が6400人余りの人の命を奪ったと思うとなんとも言えない重い気分になった。さらに神戸の街を歩いた。震災後数年しか経っていなかったがほとんど震災の後は見られなかった。