特別支援学校と特別支援学級の違い1

 10月の予定を見ると療育園(発達支援センター)から学校を見学にくる保護者の方が何組かあった。もう来年4月の入学は決まっていると思われる。しかし、中にはどちらの学校がいいのか悩んで見える保護者もいると思う。

 特別支援学校と特別支援学級、文字は1つしか違わない。しかし、通学している子供への対応は大きく違っている。問題なのは、重い障害を持っているのに、保護者の意向で特別支援学級に入学させる場合。自分が経験してきたことと合わせてお伝えしていきたい。

 

 数年前に障害の重い子供を二人担任した。どちらも言葉を発することができない。一人は給食で嫌いなものがあると「ぶ、ぶ」と言うことはできた。もう一人の子供はそれすら言うことができなかった。1年前の就学指導委員会で学校側としては何度も通学させることは難しいとお伝えしてきた。それでも入学させるとなった。考えとして「○○小学校で地域の友達を作りたい」ということだった。

 入学してすぐの1年生の時には、それほど周りの子供との違いは見られなかった。担任と一緒に学校見学や落ち葉拾いなどはできた。運動会も他の1年生と一緒に走ることはできた。問題なのはその後である。

 3年生になり、運動会で帽子取りが行われた。これについては危険があるために参加しないでもらった。高学年になれば組み立て体操もある。これも危険性を考えれば参加させることはできない。6年生になった時に参加できるのは、開閉会式と徒競走だけになってしまう。

 卒業式。校長からは厳粛な会にしたいと言うことで、その日は欠席と言うことにしてもらった。(担任としては参加させたい気持ちもあったが、それ以上に卒業式を一人のために壊してほしくないと言う気持ちもあった。)

 結局他の子と交流すると言っても難しい点が多くあった。お金、人員(支援員)などの問題。

 

 逆に支援学校ではどうだろうか。今まで2度支援学校の卒業式に出させてもらったことがある。その学校の先生が言うには「卒業式の練習は、職員が子供たちに何かあった時にどのように対応するかと言う練習です。」とのこと。卒業式も静かになると言うことはなかったが、一人一人の特性に合わせて卒業証書をもらっていた。

 また、特性の似通った子供たちが通学しているので、保護者の悩みを他の保護者に相談することもできるだろう。

 

付け加えて

 特性(障害)のある子について、このように書くと批判が多くなりそう。しかし、ほとんどの担任としても研究会に参加したり、本を読んだりして何とか指導法は見つからないのかと研鑽している。しかし、校長から支援学級の担任をするように言われるのは3月。しかし、3月は今まで担任していた子供の通知表や要録を書くことでほとんど費やされてしまう。春休みになり、特別支援に関する本もいろいろ書店や図書館で調べる。しかし、目の前の子供は大きく自分の予想と違っている。4月、5月は目の前にいる子がどのような特性を持っているのか知る時期である。思い通りの指導ができない。子供とのコミュニケーションができない。今まで培ってきた知識が全く通用しない。そのことは分かっていても、精神的にボロボロになる。