「学校に行きたくない」と子供が言ったら2

「学校に行きたくない」と子供が言ったら2

 

 前回子供が「学校に行きたくない」と言ったらどうしたら良いのか考えてみた。しかし、行きたくないと、自分で理由まで言うことができるならそれほど重症ではない。その行きたくない理由を解決してあげればいいのだから。しかし、問題なのは「学校に行かなければいけない」と思っているのに行くことができない状態である。

 前の夜、「明日は学校に行く」と約束をしたのに、朝になると頭が痛くなったり体が動かなくなったりする場合がある。そして学校のある時間の間症状が続く。そして学校が終わる時刻になると急に元気が出てくると言うことがある。子供の中で「学校に行かなければいけない」しかし「行くことができない」と言う葛藤がある。

 しばらく前までは医療機関や教員以外の専門家からは「登校刺激を与えない」と言うのが定説だった。子供が学校に行きたいと思うまで何もしないと言うのである。問題なのは保護者や教員が耐えられないと言うこと。特に教員の方は何かしなければいけないという思いが強い。

 

 中には無理矢理学校に連れてきて、登校のきっかけを作ることで登校させた成功体験をもとに、「無理にでも連れてくればいい」と言う教員もいる。自分の場合は不登校の子供を担任したことがないので、どちらが正しいのかはっきりしたことは言えない。

 

 大切なことは3つ。1つ目は他の子供でうまく行ったからといって、目の前の子供に対してうまくいくとは限らないこと。一人ひとり方法が違うこと。2つ目は一人で何とかしようと思ったり悩んだりしないこと。そして不登校になったことに対して、誰も悪くはないこと。この3つである。

 

 家に不登校の子供がいると、家庭は暗くなってしまう。周りからは、どうして学校に行かないのか、興味半分に聞かれる。保護者会では、子供の様子を事細かく聞かれる。中には、「こうするといい」などの無責任なことを言ってくる人もいる。

 

 今回、具体的な解決方法は示すことができなかった。担任している時に学校に来ることができなくなった子供は幸いにもいなかった。しかし、休んでいた子供が学年の途中で出てくるようになったと言うこともない。

 

 夏休みやGW明けなど長い休みの後、学校に来られなくなる場合が多い。子供の変化に対してアンテナを高くしておく必要がある