教員免許更新制度について

教員免許更新制度について

 朝日新聞によると教員免許の更新を怠ったために免許が失効してしまったという記事があった。わたしも1度免許更新を行った。2度目は65歳、どうするのか他の先生の話を聞いているところ。

 わたしが受講したのはe-ラーニング。パソコンで講義を受け最後に一度だけ地元の大学に行き試験を受けるというものだった。講義内容としてはパワーポイントの使い方や環境問題など興味のある物もあったが3万の出費は痛い。対面で行われる講座なら交通費まで必要になる。近くの市では教育委員会が講座を開いていたところもあるらしいが。

 私が勤めていた学校では夏休みの間は職員室でも講習を受けることができた。しかし学校によっては個人的なことなので勤務時間中は講習を受けることができなかった学校もある。

 

免許更新制度について2つの面から考えてみたい

人材難に拍車をかけている

 教員採用試験の倍率が2倍を切ったという記事があった。学校は常に人が足りない。そのため音楽や家庭科など本来なら担任以外の先生が配置されるのに、それができない。病気で休む先生がいても、その補充ができずいろいろな先生が授業受け持つことになる。

私の妻の場合は教員をしていたが結婚して一度家に入った。子育てが一段落したときに病気になった教員の補充に来てくれないかという話があった。免許更新制度がなかったので引き受けることができた。しかし今だったら免許が失効しているので断るしかなかっただろう。

教員免許をもっていた人の職場復帰を困難にしている。

 

教員の力量向上につながらない

 講座の内容もカルチャースクールならいいかもしれないが、実際に授業で役立つものはほとんどない。受講すれば知識は広がるかもしれないが、優先順位は低いものばかり。単位を取るだけなので、パソコンの使い方など知っている内容を選ぶことも多い。まだ「鬼滅の刃」でも読んでいる方が余程授業の役に立つ。

 目の前にいる子供たちのために役立つ内容がないというのは、ただでさえ多忙と言われている教員の多忙化に更に拍車をかけている。

 

 この免許更新制度が教員のためになっていないということは、その被害を子供を持つ全ての国民が被っているということを考えてほしい。

 

 教員免許の失効については教育委員会の責任である。免許取得や年齢のデータは教育委員会にあるはず。