えこひいきについて考える-教員の立場から-

えこひいきについて考える-教員の立場から-

 教員に「えこひいきをしていますか」と聞けば、ほぼ100%の教員が「えこひいきなどしていない」と答えるはずです。では、どうして「えこひいき」という言葉が子供から出るのでしょうか。

子どもから「担任の先生がえこひいきしている」と聞かされたら、まず保護者はその担任に対する信頼はかなり低下します。しかし、半分以上は担任の思いがうまく伝わっていないのです。そのことについて今から少しお話します。

 

1一人ひとりの子どもに合わせて指導している

大前提として、特に小学校では子どもに対して対応を変えています。漢字の書き方一つとっても、「能力的にあまり高くなく間違えることの多い子」「下敷きを使わないなど学習習慣に問題がある子」に対しては対応が違ってきます。能力的に高くない子に対しては多少の甘くなります。逆に下敷きを使わない子については、字を正しく書いていても下敷きを使うように言うこともあります(テストの採点では共通の基準のはず)

また、「今日は○○さんを伸ばしたい」と思うこともあります。日頃意見の少ない子がノートに素晴らしい意見を書いてきたとします。担任だったら、この機会に○○さんが発言できるように授業で活かしたいと思います。これが学芸会だったり、運動会だったり、学級代表だったりすることもあります。

 

2力を入れて指導したいことは

2年生の算数では「かける数」と「かけられ数」の順番をしっかり教えます。学年が上がれば逆に問題ないのですが。保護者の方に教えてもらったのに×になることもあります。漢字も低学年の場合は書き順、止め、はねなどにこだわります。逆に学年が上がればルーズになることもあります。

 

3ひいきしたい子に

「言うことを聞いてくれる子」と「わがままな子」どちらが好かれるでしょうか。「ひいきされていない」と愚痴を言っているだけでは状況は変わりません。担任も指導したときにしっかり聞いてくれると嬉しいのです。朝大きな声で挨拶してくれるだけで、その子に対する見方が変わります。教員も人間なのです。

 

ひいきを肯定するつもりはありません。しかし、「先生はひいきしている」と言っているだけでは何も変化はありません。1と2は教員に相談してみるのもいいでしょう。