小中学校とエアコン

小中学校とエアコン

 学校というところは、中からはなかなか変わらないが外からの圧力によって容易に変わるところである。

 数年前の話である。公立の小中学校の普通教室にはほとんどエアコンが入っていなかった。入っているのは職員室、保健室、図書館だけだった。やっと教室に2台の扇風機が入った。しかしいくら扇風機を回しても冷えない。

このところの地球温暖化を受けて、熱中症指数というものが出る。厳重警戒になることも珍しいことではなくなった、それぞれの普通教室にもエアコンを入れてほしいという話が出ていた。しかし、「夏休みがある」「財政的に無理」などの理由から行政には相手にされていなかった。私も普通教室にまでエアコンが入るようなことはないと思っていた。

数年前異様に夏が暑かった。そして小学生が授業で公園まで行き学校に戻ってきた時に熱中症で亡くなった。自分にとってもショックだったが、テレビや新聞も一斉にこの事故を伝えた。新聞にはそれぞれの市町村でのエアコンの普及率が掲載されていた。これで小中学校にはエアコンが入っていないということに気づいた人も多かったのでは。どの市町村も今後予算をつけて計画的に整備していきたいという回答しかなかった。一年で1校ぐらい。全ての学校に整備されるのは、何十年後なのかと考えていた。

しかし、ある市の議会でそのことが追求され、その市では2年ほどで全校への整備が行われることになった。一度動き始めると、動きは早い。2年で全ての普通教室に入ることになった。

 特に今年の夏はコロナのことがありエアコンは入っているが、窓も開いている。せっかくエアコンから冷たい風が出てきても、窓から逃げていってしまう。それでもないよりはマシのレベル。