絵本 くわずにょうぼう

絵本 くわずにょうぼう

 今日は「くわずにょうぼう」(稲田和子再話 赤羽末吉画 福音館書店)というお話を紹介する。

 「釣った魚に餌をやらない」というのは、昔から言われてきた言葉である。しかし、その言葉を信じて逆にしっぺ返しを受けた男性は少なくはないだろう。嫁に来た人が美人で食事もしない、贅沢もしない人だったらどうだろうか。今だったら天然記念物のような人である。

 ある村にけちで有名な男がいた。その男のもとへ嫁いできたのが美人でよく働くのにほとんど食事をしない人だった。男は最初喜んでいたが、ある日蔵いっぱいあった米がなくなっていた。隠れて見ていると女房は飯を炊き、大きな握り飯を作ると、髪を振りほどき頭のてっぺんにある大きな口で食べてしまったのです。それを見ていた男も鬼婆に捕まってしまいます。

 このお話、読み聞かせをしているとだんだん子供たちがお話に引き込まれていくことがわかります。女の人が読んだほうが怖さが倍増するかも。

 お話に出てくる山姥や鬼婆の恐ろしいのは、最初優しそうな姿や態度をしていて、ある日急に本性を現してくるということ。「こぶとりじいさん」や「ももたろう」に出てくる鬼は最初から怖いので対応の仕方もあるが、鬼婆や山姥の方が余計に恐ろしく感じる。昔から女性というのは怖かったのだろうか。

 

閑話休題

 妻は食べることが大好き。「くわずにょうぼう」ではないのですが、この本の読み聞かせを学校でして、家に帰ってつい妻の頭を見てしまいました。大きな口がなかったので安心しましたが、冷蔵庫の中にはアイスなどが・・・。結婚するまでは「絵姿女房?」と思っていたのですが30年も経つと、妻の方にも考えるところがあるような。捨てられないように、ご用心用心!