怒ると叱る

怒ると叱る

 

 学校での怒ると叱るについて考えてみたい。よく他の先生から「怒り方が分からない」ということを聞く。怒るというのは簡単である。怒るは自分一人で怒っているのだから、家に帰ってから勝手に怒ればいいこと。学級の中で必要なのは「叱る」こと。叱るためには叱る対象が必要になる。(言葉の違いについて、敏感になることも必要だろう)

 では、叱るためには何が必要だろうか。私は叱る人と叱られる人との間に信頼関係が必要であると思う。特に「なぜ、叱られるのか」理解していること。そのためには叱る時には感情に任せて怒るのではなく特に冷静になること。子供の名前を呼び捨てにするのではなく男の子でも「○○さん」というように呼んでみると冷静になれる。さらに必ず「どうしてそんなことをしたの」と理由を聞くこと。時には思いは理解できる場合もある。

 そして、その行為のみ何が良くなかったのか理解させ、これからどうしたら良いのか話す。子供の人間性や家族、日頃の行いなどは持ち出さないようにする。叱られている時にはパニックになったり泣いていたりするかもしれないが、叱る時には下校時刻から逆算して帰る時までには泣き止むようにする。

 

 40代の頃には、怒っていたと思う。子供に大きな声を出し、無理矢理いうことを聞かせるなど自己満足でしかなかった。3年生の担任をしていたのに、6年生から一番怖い先生と言われたこともある。それが自慢だった。また、体罰ができないので教卓を蹴ったり叩いたりして大きな音を出していた。子供は叱られているのではなく脅されているのである。

 逆に女のベテランの先生は大きな声を出して叱らなくても、子供たちを変えることができていた。その中で自分は叱るのではなく怒っていること。怒っている自分に酔っていたのかもしれない。それでも特別支援の子などと関わっていく中でだんだん怒ることがなくなってきた。冷静に低い声で理由を聞く。できれば最後に「これからしっかりやれるね」などの言葉をかけて帰らせたい。必要なら保護者に学校で起こったことを伝えることも必要。

 

 また、「怒るときは人目につかない所で、褒める時にはみんなの前で」ということを心掛けたい。