部活の功と罪4 長時間の部活について

 部活について、問題の一つに長時間で行われていることが挙げられる。先日のNHKの番組で為末氏は、「アメリカでは1日の練習が90分ということだった」しかし、日本の部活では朝7時に登校し8時までの朝練。さらに帰りは4時から6時までの2時間。合計3時間ほどの練習になる。さらに土日の休日には9時から12時の3時間ほどの練習が行われている。教師も子供も体や精神を休めたり家族とどこかへ遊びに行くということはほとんどできない。

 ではなぜ長時間部活を行なっているのだろう。

 

 1他の部活がやっているから

 大会が近づくと校長に申請してさらに遅くまで練習することがある。どうしても隣の部活が練習を行なっているのに、こちらだけ早く終わるということはできない。それで大会でいい結果を残すことができなければ練習が足りないと言われないか心配になる。一部の子供からは練習をもっとしたいという声もあがる。(大半の子供はうんざりしているのだが)

 

 2指導者の力がないから

 中学校では赴任先の学校では異動でいなくなった教師の指導していた部活の顧問になることが多い。前の学校で○○をやっていたからと言っても、今の先生が代ると言って来れなければ未経験の部活の指導をすることもある。つまり指導職不足。(私もそれなりに努力はしたが)これでいて短時間で効率的な練習を行うことは無理。さらにしばらくは前の顧問の練習方法を踏襲するしかない。顧問よりも3年生の方がよほど競技に関して詳しい。

 

 3生徒指導としての部活

 これが本当は理由としては一番大きい。公立中学校の場合、生徒指導上問題のある子供も多い。早く家に帰れば万引きや他校の生徒との事件も心配になる。しかし、部活で遊ぶ時間を減らし、疲れて家に帰れば何もできない状態にしてしまえば、問題行動を起こす心配は減る。「タバコを吸うと体力が付かない」とでも言えば納得して喫煙の心配も減る。家庭からも家でグタグタしているくらいだったら部活に行っていて来れた方がいいという声も聞かれる。

 

 本当にプロを目指すような子供は、中学校では違う競技や文化系の部活に入る場合がある。それは自分の属しているクラブチームの練習に出れないからである。  

 この頃は、市の大会などではサッカーなどの団体競技でも学校以外のクラブチームの名前で出場する子供が見られるようになった。学校の方は当然主要メンバーが抜けてしまったわけだから勝てるわけがない。